企業にとってコスト削減は、業績を上げるためには欠かせないものです。
コールセンターにおいても永遠の課題ではありますが、むやみにコスト削減を行うとコールセンターの品質を低下させることになりかねません。それでは、どのようにしてコストを削減していけばいいのでしょうか。
この記事では、コールセンターのコストを削減するポイントとその方法についてご紹介していきます。
目次
コールセンターの運営にかかる費用
人件費
コールセンターにかかる費用の半分以上は、人件費が占めていると言われています。
オペレーターの給与はもちろん、採用や人材育成にも大幅に費用がかかるからです。そのためコスト削減を考えた時に、人件費にメスを入れようと考えるセンターも多いのではないでしょうか。
しかし、安易な人件費削減は応対品質やお客様満足度の低下、職場環境の悪化によるオペレーターのモチベーション低下や離職を招いてしまうという悪循環に陥る場合もあるため注意が必要です。
場所・機材・設備などの費用
コールセンターの設置には、まず場所の確保が必要です。センターの規模や席数に応じて計画的に検討する必要があります。
次に、オペレーターが使用するパソコンやヘッドセットの機材や長時間のデスクワークでも負担のない机や椅子などの設備、電話番号、インターネット回線などの準備にも費用が掛かります。また、コールセンターを効率的に運用するためには、CTIや顧客管理ツールなどのシステムも必要不可欠です。
コールセンターの規模によっては初期費用は莫大なものとなるため、導入前に入念な精査が必要となります。
維持・運営費
自社とは別の場所にコールセンターを設置する場合は、家賃や電気代などの維持費が追加で発生します。
コールセンターにはお客様からたくさんの電話がかかってきますので、ネットワーク速度の低下による回線の不具合がないような通信の契約が必須となります。ヒアリング項目には個人情報が多数含まれるため、セキュリティの強化も必須となり、そういった費用のことも考えなければなりません。
また、システム費や機材、ライセンス料などの維持費は毎月かかってくるので注意が必要です。
職場環境を良くするための費用
コールセンターで働くスタッフが過ごしやすいよう、環境を整えるための費用も欠かすことはできません。
快適に仕事ができるオフィス空間を整え、休憩室は心と体をリフレッシュできるよう配慮しておきましょう。また、クラスターの発生を避けるために、消毒液やパーテーション、加湿器や空調設備についても費用がかかります。
紙や印刷代
意外と忘れがちですが、紙や印刷代などにも費用がかかっています。
ペーパーレス化は進んでいますが、契約書や一部のマニュアルなどどうしても印刷する必要があるものも意外と多いため、合算すると思わぬ金額になっていることもあるようです。
コスト削減のポイント
まずは自社コールセンターのコスト構造を分析し、運用方法の見直しや業務効率化などで無駄を排除することが重要です。
問合せ件数の削減
問合せ件数を減らすことができれば、オペレーター数やブース数を削減することができ、人件費や設備費を削減することができます。
FAQやメール、チャットボット、WEBサイトのお問合せフォームをうまく活用することで、問合せの手段が分散され、電話問合せを減らすことが可能です。
1件当たりの時間を短縮
電話1件当たりの対応時間を短縮することで、少ない人数で効率よく電話対応を行うことができます。
応答率や通話時間、処理時間などコールセンターごとに課題や解決方法は変わりますので、まず自社コールセンターの問題を分析することから始めましょう。
コールセンターのKPIとは?代表的な項目と設定のポイントまでご紹介!
オペレーターの負担を減らす
オペレーターの負担を減らす事もコスト削減に繋がります。オペレータ―が気持ちよく働ける職場環境であれば離職率は減り、新規採用や教育コストが削減されるため人件費に直接的な影響を与えるのです。
快適に働ける職場作りを行い、オペレーターが対応困難になった場合もすぐにサポートできるSVの配置、過去の対応履歴やFAQの素早い確認手段の設置など効率的な仕組み作りを行いましょう。
曜日や時間帯によってオペレーターの人数を増減させる
安易な人員の削減はオペレーションに悪影響をもたらす可能性がありますが、曜日や時間帯によってある程度必要な人数が把握できれば、事前にオペレーター数を調整しておけるため、人件費削減ができます。
これまでの傾向を分析し、適切な人員配置を行いましょう。
ペーパーレス化
紙文書の電子化を行い、紙での管理を見直しましょう。
マニュアルやFAQの電子化はほとんどのコールセンターが導入していると思いますが、まだまだ紙で対応している業務があるのも事実です。
紙ベースで目当ての資料を探す作業は効率的ではないですし、紙で管理することで情報漏洩のリスクも高まるため、ペーパーレス化のシステム作りを行うことも重要となります。
具体的に行うコスト削減方法
オペレーターの離職防止対策
オペレーターが離職すれば、新たに募集広告の出稿や応募受付、面接、育成を行う必要があり、コストがかかります。
新人研修中は在籍しているオペレータ―の負担も増加しますし、応答品質の安定と向上は見込めません。
離職を防止するためには、オペレーターが効率よく働きやすい職場環境の整備が大切となります。オペレーターの教育やサポート体制を整え、業務フローやマニュアルはオペレーターの意見を取り入れながら、使いやすいように定期的に見直しを行いましょう。
コールセンターシステムやAIの利用
IVR(自動音声応答システム)やAIを導入することで業務を効率化させることが可能です。
例えば、IVRを利用するとかかってきた電話が適切なオペレータ―に振り分けられ、工数減らすことができるので1件当たりの対応時間を短縮することが可能となります。またボイスボットやチャットボットを利用することでオペレーターに引き継ぐことなく、解決することが可能になり、オペレーターの負担を減らすこともできるのです。
コールセンターシステムについてはこちらに記載しておりますのでご確認ください。
コールセンターシステムとは?仕組みやメリット、選び方のポイントを解説!
FAQの充実
FAQを充実させると、お客様はWEBサイトを見て自己解決できるようになり、問い合わせ件数を削減することができます。電話対応時間外でもFAQを見れば解決できるのでお客様も安心です。
オペレーターの負担や人件費は軽減し、お客様満足度の向上にも繋がるでしょう。
通信費の削減
コールセンター業務は電話やネットワーク回線の利用がメインです。電話料金や通信費を減らせれば、大きなコスト削減に繋がります。
電話料金は秒単位で課金されるプランや3分単位での課金プランなど、通信業者によって様々です。コールセンター側から架電が多い場合は通話料がお得なものがいいですし、ネット回線の利用が多いならば大容量でお得なプランに変えた方がいいでしょう。
自社のサービスに合った通信回線事業者の見直しやプランの検討が大切です。
対応可能時間を減らす
朝方や夜間に電話が少ない場合は、思い切ってコールセンターの電話対応時間を減らすことも検討してみましょう。
うまくいけば電話が分散されることがなくなり、営業時間内に効率よく電話対応を行えるようになります。
賃貸料、賃金の安い地方に設置
コールセンター自体を、土地代や賃金の安い地方に設置するという方法もあります。地方在住の優秀な人材を確保することにも繋がりますし、コストも削減することができます。
地域によっては雇用が生まれることを期待して、コールセンターを設置すると助成金や支援金が出る自治体もあるため、利用してみてはいかがでしょうか。
アウトソーシングを検討
コールセンター運営のノウハウや経験をお持ちでない場合は、外部委託することで円滑な運営が可能となり実質的なコストダウンが期待できます。
代行業者によって対応可能時間やサービス内容、費用が変わってきますので、依頼する場合はしっかり検討しましょう。
コールセンターを代行委託することでコストダウンになるのか?
自社でコールセンターを運用する場合は初期費用や家賃・光熱費、人件費など様々な費用が掛かります。オペレータ―のシフトの調整や教育にも時間を割かなければなりません。
代行委託を行うと、それらの費用と負担は一切かからなくなります。コールセンターの費用の半分を占める、人件費の事を気にしなくていいというのは大きなメリットではないでしょうか。
通常の業務に集中できることで、スタッフの生産性も上がります。
代行委託はランニングコストがかかり、プランは月に一定の金額を支払う「月額固定型」やコール数や時間で課金される「従量課金型」、その二つをあわせもった「ミックス型」、アウトバウンドの場合は「成果報酬型」があります。
その他に代行開始時に3~50万の初期費用もかかりますが、キャンペーンやお試しプランを設けている業者もあります。
委託のランニングコストをかけてでもコストダウンする場合がほとんどですので、自社に合ったプランを検討し代行費用を算出してみましょう。
コールセンターの内製化と外注のラインニングコストの比較についてはこちらにまとめておりますので、併せてご確認ください。
コールセンター内製化or外注 ランニングコストやメリットとデメリットを紹介
コールセンターのコストダウンならStep y’s
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まとめ
コールセンターのコストの大半は人件費が占めておりますが、安易に人員を削減しただけではコールセンターそのものの運営が難しくなってしまいます。
今記事で紹介した方法で、応答率や通話時間に注意しながらオペレーターの負担を減らすための対策を行い、コスト削減を行ってみてはいかがでしょうか。
コールセンターシステムや代行をうまく利用しながら、コスト削減に努めてみましょう。