コールセンター 2023.10.04 2024.06.27

コールセンターのKPIとは?代表的な項目と設定のポイントまでご紹介!

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コールセンター オペレーター

コールセンター業務の改善を考える上で、KPIを設定するということは大切なことです。KPIを適切に設定することで、コールセンターは現状を把握でき、課題に気づくことができます。

KPIはコールセンター独自で設定されている項目を含めると100以上のものがありますが、今回は代表的に使用されている項目に絞ってご紹介していきます。

コールセンターのKPIの設定方法や管理のポイントについても記載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

KPIとは?

KPIと書かれた積み木

KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標のことで、設定された目標を達成するためのプロセスを数値化したものです。

コールセンターではお客様満足度や応対品質の向上という目標が掲げられますが、その達成の可否は分かりづらく、達成までの道筋も不明確です。しかし中間目標としてKPIを設定することでお客様満足度や応対品質を数値化することができ、具体的な目標としてとらえやすくなります。

「応答率を〇%上げる」「AHTを〇分にする」という明確な目標をクリアしていけば、最終目標へたどり着けるのです。

KGI(重要目標達成指標)、KSF(重要成功要因)との違い

KPI,KGI,KSFを登山に例えたイメージ

KGIとは最終的な目標のことを差し、売上や利益目標を達成させるためのゴールのことです。つまりKGIという最終目標を達成するための通過点としてKPIがあり、中間目標のKPIを達成して積み上げていくことで、KGIをクリアできるという相互関係にあります。

KPIが具体的な数値で表されるのに対し、KSF(重要成功要因)とはその要因ということです。KFSやCSFで表現されることもあります。

例えばコールセンターで「売上を〇%上昇させる」というKGIが掲げられているとします。

そのための要素として「電話を繋がりやすくする」というKSFを洗い出し、そのために「応答率〇%」というKPIが設定されるという流れとなります。

KPIの重要性

企業によってKGIは違いますが、急に大きな目標を提示されても達成までの経緯は不明確です。それが壮大な目標であるほど、早急に達成することは難しくなります。

しかしKPIを設定することで、KGIまでの進捗状況が明確になり、目標の達成に近づくことが可能となります。KPIを設定しコツコツと実績を重ねていくことは、スタッフのモチベーション向上にも繋がるのです。

KPIを設定していれば、進捗が遅れている場合でも、方向修正や改善に取り組むこともできます。

コールセンターにおけるKPIの役割

コールセンターにおけるKPIの役割としては、目標までの過程を明確にし、数値化することで誰が見ても分かるようにすることです。KPIを数字として可視化することで、オペレータ―のやるべきことが明確となり、目標達成への近道となります。

例えば、応答率が低いのであればオペレーターの人員を確認する必要がありますし、通話時間は短いのに平均処理時間が長い場合は後処理の時間を改善しなければなりません。KPIを分析していくことで、さらなる品質アップが望めるのです。

数値化して明確な目標を立てることは、コールセンター全体の士気を高めることにも繋がりますし、オペレーターごとのKPIを確認することで、評価にも活用できます。

コールセンターのKPIの種類

コールセンターの様子

応答品質

コールセンターへの電話の繋がりやすさや応対の質を測る指標です。

電話が繋がりやすいのかという、コールセンター全体の品質にも関わるため、お客様満足度や好感度にも直接影響します。

効率性

コールセンター業務を効率よく進められているか、人員が効率よく配置できているかを示すKPIです。

オペレーターひとりひとりの、対応の早さや効率の良さを測ることができます。

顧客満足度

コールセンターを利用したお客様が満足していただけたかを測る指標です。

基本的にはアンケートでの確認となり、直接お客様の意見が反映されます。

マネジメント

コールセンターにとって欠かせない存在であるオペレーターを、上手にマネジメントができているか確認するためのKPIです。

コールセンターの人的課題に気づくための大切な指標となります。

アウトバウンド

オペレータ―がお客様に電話をかけて営業を行う、アウトバウンドならではのKPIも存在します。

架電数や成約率など、インバウンドとはまた違った目線での指標です。

応答品質に関するKPI

応答率

応答率とは、電話の着信件数に対してオペレーターが対応できた割合のことです。

応答率=応答件数 ÷ 着信件数 × 100

応答率が高いとお客様からの電話に多く応対できているということで、繋がりやすいコールセンターだと言えます。

一般的な問い合わせや注文の受付窓口は、90%を目標としているコールセンターが多いようです。

応答率が悪い時は、スタッフの人手不足やスキル不足、急な着信増加の可能性が考えられます。

放棄率

放棄率は、電話の着信件数に対してオペレーターが対応できなかった割合のことです。

放棄率=放棄件数÷ 着信件数×100

放棄率が高い場合はオペレーターが応答しきれず、お客様が電話を諦めて切ってしまったということが考えられます。

SL(サービスレベル)

SLとは、コールセンターが設定している時間内に着信に応答できた割合のことです。

SL=設定時間内の対応件数÷着信件数×100

一般的には20秒以内を目標としており、80%程度を達成率としています。

応答率が高くてもSLが低ければ、お客様をお待たせしている可能性が高いです。離席や後処理などに時間がかかってしまうと、SL低下の原因となりますので注意しておきましょう。

ASA(平均応答速度)

ASAとは、着信から応答までにかかった平均時間のことです。

ASA=応答までの時間の合計÷着信件数

SLはコールセンターの応答目標時間を表すのに対し、ASAは実際にお客様をお待たせした時間ということになります。できるだけ短くなるように心がけましょう。

ASA時間が長いければ長いほど、お客様を待たせてしまうことになるため、ストレスからクレームに繋がってしまう場合があります。

応答品質を上げるための施策はこちらに詳しく掲載しておりますので、ご確認ください。

笑顔のオペレーター
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効率性に関するKPI

稼働率

オペレータ―の勤務時間中に、お客様対応に費やした時間の割合のことです。

稼働率=対応時間(会話時間+後処理時間)÷労働時間(離席時間を除く)×100

稼働率は高いほどオペレータが効率よく仕事をできているということですが、数値にこだわりすぎるとオペレーターが疲弊する原因にもなってしまいます。80%前後が理想の人員配置だといえるでしょう。

平均通話時間(ATT)

ATTは、お客様対応1件につき、通話に掛かった時間の平均のことです。

ATT=総通話時間÷対応件数

短いに越したことはないですが、無理に短縮しようとすると品質低下の原因となります。ATTが長すぎると感じる場合は音声自動応答(IVR)の導入も考えてみましょう。

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平均後処理時間(ACW)

ACWは、お客様対応1件につき、後処理にかかった時間の平均のことです。

電話を切った後、通話内容をまとめるための作業時間の事を指します。

ACW=総後処理時間÷対応件数

平均処理時間(AHT)

AHTとはお客様対応1件につき、通話に掛かった時間とその後の処理にかかった時間の平均のことです。つまりATT+ACW=AHTということです。

AHT=(総通話時間+総後処理時間)÷対応件数

1件の対応にどれくらい手間がかかっているかがわかります。AHTが長いと応答率やSLの低下につながるため対策が必要です。

CPC(1コール当たりのコスト)

CPCとは、1件の電話にかかったコストのことで、人件費や通信費、家賃なども含めて1件の電話にどれくらいのコストがかかっているのかわかります。

CPC=コールセンターの総コスト÷対応件数

※コールセンターよっては、オペレーターの人件費のみをCPCとして考える場合もあり。

CPCはコストのことを考えるうえで重要なKPIといえるでしょう。

顧客満足度に関するKPI

CS(顧客満足度)

顧客満足度を図るためには、アンケートをとって結果を分析、数値化して確認する場合が多いです。問題は解決できたのか、言葉遣いはどうだったかなど、お客様が満足いく電話対応ができたかを調査します。

分析・参考にしていくことで業務改善、応対の質向上にも繋がります。

NPS(顧客推奨度)

NPSとは、お客様が商品やサービスをどのくらい他の人に推奨したいと思えるかを表す指標のことです。

お客様にアンケートを取り0~10の11段階で評価してもらいます。

アンケートで得られた回答からお客様を「9~10推奨者」「7~8中立者」「0~6批判者」として分類し、お客様が商品やサービスに対して感じている満足度をスコア化します。

マネジメントに関するKPI

欠勤率

欠勤率は、オペレータ―の勤務予定日数に対して欠勤・遅刻・早退がどのくらいあるのかを表す指標です。

欠勤率が高い場合、職場環境や人間関係などにトラブルが発生している可能性があります。また、他のオペレーターへ負担がかかっているということになりますので、スタッフのケアをしっかりおこないましょう。

離職率

一定期間内で離職したスタッフの割合の事です。

離職率=ある期間における離職者÷在籍人数×100

離職率が高いとベテランのスタッフが育ちにくく、コールセンターの応対品質が低下する原因となってしまいます。あまりにも離職率が高い場合は、新人研修やコールセンターの制度自体を見直す必要もあります。

アウトバウンドに関するKPI

架電数

架電数はオペレーターがお客様に電話をかけた回数のことです。

アウトバウンドの場合電話に出てもらえないことも多いため、多くの電話をかけることが大切となります。

コンタクト率

コンタクト率は、オペレーターの架電に対し、お客様に電話がつながった件数の割合です。

コンタクト率=つながった件数÷架電数×100

コンタクト率が低い場合は、リストや架電する時間帯の見直しが必要になります。また、せっかくつながった電話ですので、成約までつなげられるような施策が大切です。

成約率

オペレーターが発信した電話のなかで、成約まで至った件数の割合です。

成約率=成約件数÷架電数×100

成約率を上げるためにはアウトバウンドのオペレータ―のスキルが重要となります。

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コールセンターのKPI設定のポイント

POINTと書かれたデスク

KGIを明確にする

KPIの目的はあくまでもKGIを達成する事なので、KPIだけを追い求めすぎると目的が見えなくなってしまうことがあります。最終的なゴールであるKGIを明確にして、最終目標を揺るがないものにしておきましょう。

コールセンターによってKGIは違いますが、どの最終目標にも「電話を掛けてきたお客様に最大限満足していただく」ということが含まれています。そのため、お客様に満足いただけるためのKPIを考えていけばいいだけなのです。

具体的な数値で実現可能な目標を立てる

誰が見ても達成状況を把握できるように具体的な数値で、なおかつ実現可能な目標を設定することが重要です。

例えば、応答率100%を目標にした場合、達成するために焦ってしまい、現在の電話を早めに終わらせてしまうということもあり得ます。まだ話したいことがあったにもかかわらず電話を切られてしまっては、お客様満足度は下がる一方です。

無理をしない範囲で、達成できるKPIを立てることが重要だといえます。

自社の業種に合ったKPIの設定

同じコールセンターでも業種によって最終目標は違いますし、強みも違います。

緊急性が高いコールセンターの場合は応答率が最重要ですし、アウトバウンドがメインだと成約率が重視されます。自社の業務内容に適したKPIの設定が大切です。

KPIの設定方法

①KGIを設定する

まずは最終目標であるKGIから設定します。

目標があいまいだと、どんなKPIを設定してもぼんやりしたものになってしまうため、社内でゴールをすり合わせ、共有しましょう。

②KSFを特定する

最終目標を達成するためのKSFを洗い出します。

KGIを達成するために何が足りない要素なのかを考えましょう。

③KPIを設定し数値目標を立てる

KPIを設定する際は、SMARTの考え方で設定していくと効率的です。

S(Specific) 目標は具体的であるか

M(Measurable)測定可能であるか

A(Achievable)達成可能であるか

R(Related)関連しているか

T(Time-Bounded)期限は設定しているか

目標達成に向けて、具体的であるか、数値として測定できるか、無理な目標ではないか、KGIと関連した目標であるのか、期限を決めているかを意識してKPIを設定することで、具体的で方向性の定まったKPIの設定ができるでしょう。

KPIの管理方法

PDCAと書かれた積み木

KPIは設定して達成すれば終わりというわけではなく、分析し管理していくことが大切です。KPIを管理する際にはPDCAサイクルを意識して取り組みましょう。

P(plan)まずは目標の設定

D(Do)目標に向けた対策の実施を行う

C(Check)実施したことによる効果を検証

A(Action)検証で判明した問題の解決やさらなる業務改善を目指して次の目標を立てる

検証の結果によってはKPI自体を見直す必要がある可能性もあります。軌道修正を行いながら、KGI達成に近づけていきましょう。

KPIの効果(メリット)

KPIを設定しなければ、オペレーターは日々業務をこなすのみでコールセンター内の意識はなかなか上がりません。応答品質の低下やオペレータ―への負担など目に見えないものへの対応も難しくなっていきます。

しかし、KPIを設定することで、目標達成には具体的になにが必要なのか、改善がどこに必要なのかが可視化され、オペレータが日々目標を意識して、スタッフ間で共有ながら業務を進めることができるようになります。

検証を繰り返していくことで、少しの数値の変化にも気づけ、組織が抱えている問題の早期発見にも繋がるのです。

KPIはお客様・オペレーター・管理者など、コールセンターに関わる全ての人にメリットをもたらすことが可能となります。

まとめ

コールセンターのKPIについてご紹介してまいりましたが、KPI設定がいかに重要なものかお判りいただけたのではないでしょうか。コールセンターのKPIについての項目はたくさんありますが、それぞれ独立しているもののようで複雑に絡み合っています。

コールセンターの応対品質、顧客満足度、業務効率、マネジメントでお悩みの場合、自社に適切なKPI設定することが大切です。

コールセンターのKPI設定が難しいと感じられる場合は、コールセンター業務をアウトソーシングするという方法もあります。アウトソーシングすることでコスト削減・業務効率化が期待できますので、検討してみてはいかがでしょうか。

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