コールセンター業務をアウトソーシングすると、人員不足の解消やコスト削減、業務の効率化など、様々なメリットがあります。
代行業者はコールセンターに関する専門知識や経験が豊富なため、安心して任せることができますが、すべての業務をすぐに任せることにとまどいがある、という企業も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みには部分的にアウトソーシングするという方法があります。まずは一部の業務のみアウトソーシングを行い、様子を見て拡大・縮小を行うことができます。
この記事ではコールセンターを部分的にアウトソーシングできる業務やメリット、業者選定時のポイントまでご紹介いたします。
目次
コールセンターにアウトソーシングできる業務内容

コールセンターにアウトソーシングできる業務は、お問合せ対応や、ご注文・ご予約、ご意見を頂戴するインバウンド業務、お客様へのフォローコールや情報収集、アポイントをいただくために電話をかけるアウトバウンド業務があります。
最近では不動産・賃貸管理業者向けや士業向け、クリニックやサロン専用などの専門性の高いサービスを展開していたり、メールやチャット、SMSなどのインターネット経由でのお問合せにも対応したり、データ入力代行やネットショップ運営など電話対応以外にも多くの業務をアウトソースできる業者もあります。

どこまで任せられる?コールセンターにアウトソーシングできる業務内容!
コールセンターのアウトソーシングは増加傾向
通販新聞社の調査によると、コールセンター事業を手がける企業の2021年度売上高は、前年度に比べ4.3%増加し、上位35社の合計売上高は1兆3230億3400万円。35社のうち増収企業は23社あり、通販企業からの業務受託が増えたほか、新型コロナウイルス関連など公共系の業務も前年度より増加、業績を伸ばした企業が多く見られました。
また、2022年度売上高合計は前年比3.3%増、増収企業は上位35社の中24社と引き続き売上を伸ばしています。
2023年度売上高合計は前年比8.2%減となっており、コロナウイルス関連の公共系業務の需要が減少したのと見方が強い一方、通販関連業務やDX推進関連などの新規開拓を成功させた企業は引き続き増収しています。
アウトソーシングを行うことで人員確保や育成、適切なリソースの配置で悩む必要がなくなり、コスト削減にもなるため、自社で運営するよりもアウトソーシングするという企業が増えており、今後も増加していくと予想されます。
参照元:通販新聞
コールセンター売上高 増収は35社中23社、21年度売上高合計が4.3%増
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=6397&_ssd=1
売上高合計は3.3%増<コールセンター売上高> 22年度、増収は35社中24社に
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=6955&_ssd=1
売上高合計は8%減<コールセンター売上高ランキング> 23年度はコロナ関連需要が一服
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=7523&_ssd=1
アウトソーシングすべきか迷った時の判断基準
入電数が増加傾向や増減の波がある場合や人員不足が課題となりつつある時、また、オフィス移転を検討する際などは、アウトソーシングするべきか判断する良いタイミングです。各種手配や設備導入などのコストを算出し、比較しましょう。
また、以下のようなお悩みがある場合は、コールセンターのアウトソーシングによって、スムーズに解決できますので、ぜひ業者に問い合わせてみましょう。
- 自社のスタッフだけでは人員が不足し、お客様へご満足いただけるサービスができない
- オペレーターの採用・教育にかけるコストが負担となっている
- コールセンター管理の経験者がいない、退職してしまった
- 人員配置がスムーズに行われず、電話を受けきれない時間帯やスタッフが多すぎるため持て余している時間帯が頻繁に発生した
- 対応に必要な設備やシステムの導入や運用するためのリソースが不十分
このような場合は、品質やお客様満足度、コスト面を考えた上でも、アウトソーシングが最適な判断だと言えるでしょう。
コールセンターの部分的委託とは

コールセンターを外部にアウトソーシングすることで、人件費や研修費、設備コストの削減や人員不足の解消、業務を減らすことができます。
しかし、「いきなり全ての電話応対業務を任せるのは不安だ」「コスト削減とはいえアウトソーシングするにも費用が限られている」という企業は、お試しも兼ねて部分的にアウトソーシングを行い、比較してみましょう。
コールセンター業務の部分的アウトソーシングご利用例
一次受付対応
代表電話窓口や指定された電話番号からの受電対応をアウトソースできます。お問合せ内容とお客様情報をヒアリングし、担当より折り返しご連絡する旨お伝えします。自社の担当者は事前に得た情報があるため、詳しく調べてから余裕を持ってご案内することができます。
スポット対応
テレビやラジオCMなどの放送時や、期間限定キャンペーンによる一時的なコール数増加時のみ対応してもらえます。自社で短期採用を行うコスト、一次的な席の増設コストを削減できます。
営業時間外や定休日の対応
営業時間外や定休日の電話受付は、お客様側には需要がありますが、それほど多くない件数に対応するために、自社スタッフを稼働させてしまうとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
アウトソーシングを行うことで、効率良く自社スタッフの就業環境の改善やお客様満足度の向上を図れます。
クレーム対応
クレーム対応は精神的負担が大きく、割り切って対応しようと思っても心にダメージが蓄積します。
クレーム対応(お客様相談)窓口として、アウトソース先の経験豊富なオペレーターに対応してもらえると、心強いのではないでしょうか。その後、クレーム内容を共有してもらうことで、自社の改善点やお問合せいただいたお客様へ最適なご案内をすることができます。
カスタマーサポート
サービスや製品をご利用中のお客様を対象とした電話窓口です。
ある程度決まった内容が多いため、マニュアルを作成することで、お客様に一律のサービス提供が可能です。簡単に解決できるトラブルはアウトソーシング、専門性の高いお問合せのみ担当者へエスカレーションと区分けをすることができます。
コールセンターの部分的アウトソーシングのメリット

コア業務に専念できる
業務の一部をアウトソーシングすることで自社スタッフがコア業務へ専念することができます。電話応対のために途中で作業を止められることがないので集中でき、効率的に業務を行うことが可能です。
拠点を分散することでBCP対策になる
電話応対を部分的にアウトソーシングしておくことで、拠点を分散することができ、BCP対策にもなります。
自然災害やクラスターが発生しても、完全停止に陥ることなく運営を継続することができますので、もしもの場合も安心です。

BCP対策の必要性と策定の手順、取り組みのポイントとは?コールセンターにおけるBCP対策についてもご紹介!
費用を抑えることができる
コールセンターの運用には人件費や研修費、設備やシステムの導入に多くの費用が掛かりますが、一部委託することでアウトソース費としてまとめることができます。
また、繁忙期や閑散期でも適切なスタッフの配置ができるため、無駄なコストを削減することが可能です。
ノウハウの蓄積が継続できる
部分的なアウトソーシングでは自社での対応も継続するため、ノウハウの蓄積が継続できます。
外部のコールセンターへ依存しすぎた結果、社内に詳しいスタッフがいなくなってしまったといったトラブルを防ぐことができます。
拡大・縮小が容易
自社で新たなコールセンターの増設、規模縮小のための席数の削減、どちらを行ってもコストが発生します。
部分的にアウトソーシングすることで、自社で対応するよりも比較的容易に拡大・縮小を行うことが可能です。
アウトソーシング先選定のチェックポイント

目的の明確化
部分的にアウトソーシングをする前に、自社のコールセンターの課題を洗い出し、アウトソーシングする目的を明確にしておきましょう。コスト面、業務の効率化、応対品質どれを最優先事項にするのかで、選定するアウトソーシング先は異なります。
特に部分的にアウトソーシングする場合は、自社とアウトソーシング先との連携がスムーズにとれなければ、他の業務に支障が出ることもあるため、目的を共有しておくことは大切です。
予算の明確化
部分的にアウトソーシングをする場合、どれくらいの費用をかけることができるのか、明らかにしておくことも重要です。
コールセンターの費用は、依頼する内容や時間帯、料金体系によって変わってきます。自社がどの部分まで業務を依頼し、どれほどの予算を確保できるのか明確にしておきましょう。
期間の明確化
アウトソーシングは短期で行うのか長期的に依頼するのか、一時的なものなのか、期間も明確にしておきましょう。
将来的に依頼範囲を拡大・縮小する可能性があるのかなど、細かなシュミレーションを行っていくことも大切です。
- チャットやSMS対応なども将来的に導入する見通しがあれば、併せてアウトソース可能か
- 違うジャンル、商品の新規サービス、部門を立ち上げる場合、応じてもらえるか
- 将来的には全て自社での運用を検討しているが、ノウハウの引き継ぎやシステム構築のコンサルは可能か
など将来的なビジョンによっても、アウトソーシング先選定のポイントは大きく変わります。
自社の業種に対応しているのか
コールセンター代行を行っている業者によっては、対応できる業種や業務が限られている場合もあります。
不動産・賃貸管理業界のコールセンターを専門・得意としている業者もあれば、ECサイトの知識が豊富で、受注対応やクレーム対応を得意とする業者もありますので、アウトソーシング先の実績や得意な業務を事前に確認しておきましょう。
事業を拡大する場合の事も考えて、幅広く対応を行ってもらえるか広い視野で確認しておくことが大切です。
応対品質は安定しているか
検討しているアウトソーシング先へ実際に問合せした際のオペレーターのスキルや研修内容などを参考に、信頼して自社の業務を任せられると感じた業者を選びましょう。
サービスの向上を目的としてアウトソーシングするのであれば、これまでの対応実績や、オペレータのスキルなども事前に確認しておくと安心です。
セキュリティ対策はしっかりしているか
アウトソーシング先へはお客様情報や製品情報など、企業の重要な情報を共有するということでもあるので、セキュリティ対策をどのように行っているかは重要な選定ポイントのひとつです。
過去に情報漏洩は起こっていないか、プライバシーマークを取得しているかなど、アウトソーシング先のセキュリティ体制についても確認しておきましょう。
報告方法・スピードは自社のニーズと合っているか
アウトソーシングを行うと、どうしても情報共有にタイムラグが生じることがあります。
自社で使い慣れたツールに、リアルタイムで報告してもらえるアウトソーシング先を選びましょう。
報告だけに留まらず、VOCの収集や分析、運用開始後のフォローや改善案の提案も行ってもらえるアウトソーシング先もあるため、希望する場合は選定のポイントに入れておくと安心です。

コールセンターのVOCとは?収集方法や分析、活用のポイントを解説!
ステップワイズでご依頼いただいている、コールセンターの部分アウトソーシングご利用例

一次受付対応のみ
電話窓口の一次受付対応のみご利用いただいているクライアント様もいらっしゃいます。
外出中や接客中も電話が鳴らず、応対結果をメールやチャットなどで確認いただけるため、業務に専念できる上に取りこぼしも削減できたと、ご好評いただいております。
営業時間外のお問合せ
ステップワイズは24時間365日運営しているため、営業時間内のお問合せは自社で応対し、営業時間外や緊急のお問合せのみアウトソーシングをされているクライアント様もいらっしゃいます。
スタッフが緊急の電話のために持ち回りで待機されることがなくなり、お客様にはいつでもつながる安心感を与えることができます。
予約受付・変更・キャンセル対応
予約の受付、変更の窓口としての対応も代行しております。
お客様からいただいた情報は、クライアント様のシステムに入力することもできますので、単純な事務作業の手間を省くことが可能です。
安全運転管理者不在時のアルコールチェック(白ナンバー車対象)
アルコールチェック義務化の対象となっている企業は、業務開始前後にアルコールチェックを行わなければなりませんが、深夜や早朝の確認は安全運転管理者へ負担がかかってしまいます。
電話をかけるだけでアルコールチェックが可能な、ステップワイズ の『アルゼロチェッカー』にて安全運転管理者へのサポートを実現しております。

アルコールチェック義務化に伴う確認、記録、保管なら 24時間365日対応可能 アルゼロチェッカーhttps://stepys.com/lp/alzerochecker/
ご注文受付
電話でのご注文の受付はもちろん、メールやFAXでの受付にも対応しております。
入金確認や出荷前の不正検知、返品対応のみ、など受注業務の一部のみのアウトソーシングも可能です。
通販のインフォマーシャルなどによる一時的な増員
通販CMやキャンペーンの影響で、一時的に受注や問い合わせの電話が増える場合のみの増員対応も行っております。
しっかりと情報共有を行い、連携して対応させていただきます。
イベントやリコールなどの一次的なお問合せサポート
オンラインイベントやリコール対応など、一次期間中のみの電話サポート窓口としてご依頼いただけます。人員の確保や設備投資に悩まず、スピーディにコールセンターを開設できるとご好評いただいております。
ECサイトの構築・運営
ECサイトの構築や運営、ランディングページの作成などネットショップ運営の代行を行っております。
初期設定や一部機能だけ、お客様対応のみなど、部分的な業務のアウトソーシングにフレキシブルに対応しており、クライアント様に合わせた運用が可能です。

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ステップワイズでは24時間365日対応のコールセンター業務をメインとした、様々な業務のアウトソーシングを承っております。クライアント様に寄り添った柔軟な対応を行うというのが当社の強みですので、部分的にご依頼いただくことも可能です。
ご相談・お見積もりは無料でおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

24時間365日対応。女性中心のコールセンター、テレマーケティング、コンタクトセンター、電話代行なら株式会社Step y’s(ステップワイズ)
まとめ
コールセンターのアウトソーシングを検討されている場合は、まずは部分的に業務を依頼し、自社の経営状況を見ながらアウトソーシングの範囲を拡大していくのも一つの手です。
段階的にアウトソーシングを進めることで、業務の品質を保ちつつ、自社のリソースやコストとのバランスを取りながら最適な運用体制を築くことが可能です。
実績や効果を確認しながら、自社にとって最適な形での活用を検討しましょう。