コールセンターのお客様対応業務の中で重要視すべき事柄に、クレーム対応があります。
コールセンターへのクレームはお客様が不満を解決するための最後の砦であるため、真摯に対応することでお客様満足度や企業の評判を上げることにも繋がります。
クレームは避けたいと思うのがオペレーターの心情だと思いますが、実は企業の商品やサービスを向上させるためには、無くてはならないものなのです。
この記事ではコールセンターのクレーム対応の重要性と対応の手順、電話応対のコツまでしっかりとご説明していきます。
目次
クレームとは
クレームとは、自分が受けた損害に対して権利を主張したり、企業に対して損害請求を行ったりすることです。
苦情と混同されがちですが、厳密に言うと苦情は損害に対して不満の気持ちを相手に伝えることで、対人という感情が含まれています。一方でクレームは感情ではなく、要求するという意味が強いです。最近では同じ意味で取られることも多いため、この記事ではどちらもクレームと統一して説明していきます。
実は、コールセンターに直接クレームを訴えられるお客様は顧客全体の4%で、お客様の多くはクレームを言いたくても主張をしないサイレントクレーマーにあたります。
クレームを受けた際は、ごく一部の意見ということを頭に入れ冷静に対処し、「わざわざ電話の手間をかけてまで伝えてくれている貴重な意見」だと意識するようにしてみましょう。
コールセンターによくあるクレーム
扱っている商品やサービスによってクレームの内容は変わってきますが、ここでは一般的にコールセンターによくあるクレームについて、ご紹介します。
商品やサービスへのクレーム
まずは商品・サービスの不具合や疑問、説明が分かりづらいなど提供した商品やサービスに対するクレームです。
明確で誠意のある対応を行えば解消されることが多く、お客様のクレームに素早く対処する姿勢が大切になります。
オペレーターの対応へのクレーム
コールセンターへ電話がつながるまでに時間がかかった、何度も同じ説明をさせられた、応対に不満があった、などオペレーションへの不満がクレームに発展するケースもあります。
オペレーターへのクレームは、より丁寧な言葉遣いでお客様への配慮を忘れずに対応を行いましょう。改善のためにコールセンター内で共有を行うことはもちろん、システムの導入や人員の配置を考慮することも大切になります。
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理不尽なクレーマー
コールセンター側に大きな過失がないにもかかわらず、理不尽な理由で八つ当たりのようなクレームを訴えてくるお客様もいらっしゃいます。
この場合、誰かに不満を聞いてほしいということが多く、大変だとは思いますが感情が収まるまで聞いてあげると収まる場合が多いです。
どうしても収まらない場合は電話を交代することでお客様が落ち着かれる場合もあります。コールセンターでエスカレ―ションの仕組みを整え、個人で戦うのではなく組織ぐるみで対応しましょう。
クレーム対応の重要性
クレームを訴えるお客様は、商品やサービスに不満を持って電話をかけてきています。
一方で、コールセンターに電話をかけることで【きちんと対応してもらえるはず】という、期待と信頼も合わせ持っている事が多いです。
そのため、不満をしっかり解決して満足していただければ、満足度や企業のイメージが上昇し、ファンやリピーターになっていただけることもあります。
また、お客様からのクレームの中には商品やサービスを改善するヒントが含まれていることもあり、企業が成長するためには無くてはならない重要なものです。社内で改善や共有を行いましょう。
コールセンターのクレーム対応の手順とポイント
クレームが起きた際には早急に終わらせようとするのではなく、クレームから学ぶという意識で冷静な対応を心がけることが大切です。
①お客様の心情に寄り添う
第一に、不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪を行います。
そして、しっかりとお客様の話に耳を傾けましょう。
コールセンターにクレームの電話をかけられるお客様は、不満を聞いて理解してほしいという心情が強いです。お客様の気持ちを汲み取り、寄り添うことで見えてくるものもありますので、お客様の目線で対応を行いましょう。
②クレーム内容を正確に把握する
話をしっかり聞いた上で、「つまりこういうことでしょうか?」と内容を要約することで、お客様はちゃんと理解してもらえたと感じることができます。
オペレーターが自分の味方であるという、仲間意識を感じていただくことが大切です。
③解決策の提案
同じクレームを発生させないにも、解決方法を明確にご案内しましょう。
お客様の心情とクレームの意図を理解したうえで、最適な解決策を見つけて提案することが重要です。
オペレータ―レベルでは判断できない場合、慌てて間違った情報を伝えてしまうと新たなクレームを生んでしまいます。上司に確認して判断を仰ぎ、場合によっては交代して対応できる仕組みを作っておくことも大切です。
④最後にお詫びと感謝の言葉を伝える
「この度は申し訳ございませんでした。二度とこのようなことがないよう改善してまいります。」
電話を切る際にはお詫びの言葉を添え、さらに貴重な意見をいただいたいたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。
たとえ理不尽な内容でも、時間を割いて連絡いただいたことは事実です。クレームに対する感謝と学ぶ姿勢を大切にしましょう。
⑤クレーム内容と解決策を記録
お客様からのクレームの内容と解決方法を社内で共有し、マニュアル化しておきましょう。
再発防止に繋がりますし、万が一また同じようなクレームが発生した際にも変わらない対応を行うことができます。
また、あまりにもクレームが多い内容は企業全体でもう一度見直しを行うことで、商品やサービスの改善が望めます。
クレーム対応時のオペレーターの心構え
コールセンターのクレーム対応は「不満をお持ちだったお客様に、最後は気持ちよく電話を切ってもらう」という意識を持つことが大切です。
企業の一員として申し訳ないという気持ちを伝えつつも、「自分だったらどう対応してほしいか」お客様の気持ちを考えながら応対を行いましょう。
また、自分が怒られているわけではないという心構えも重要で、個人的に受け止める必要は全くありません。お客様はオペレーターに怒っているわけではなく、その企業やサービスに怒っているのです。自分が代表して意見を聞いているくらいの考えで、お怒りを真正面から受け止めるのではなく、その怒りの根源である不満を見つけて解決する事を最優先しましょう。
クレーム対応時はNGワードを頭に入れておく必要があります。
- 絶対という断定的な言葉は、出来なかった場合に対処できないため使用しない
- だって、ですから、どうせ、でもなどの4D言葉は弁解や反論ととられてさらなるクレームに発展する場合がある
- 思いますという憶測の言葉もお客様を戸惑わせてしまう原因になるため、しっかり事実確認した内容を伝える
コールセンターへ対するクレームを減らす方法
コールセンターやオペレーターに対する不満は、心がけ次第で減らすことができます。
待ち時間を減らす
お客様はクレームの電話をかける際、急いで解決してほしいという想いから、電話の待ち時間が普段より長く感じられることがあります。クレームの内容と相まって、コールセンターの待ち時間や対応自体にイライラしてしまうものです。
オペレーターを増やす、問い合わせ内容によって応対先変えるといった待ち時間を減らす工夫をすることで、二次クレームを減らすことができます。
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教育・研修を実施する
オペレーターの応対スキル向上のための研修を行い、クレーム対応について学ぶ機会を定期的に設けましょう。
お客様と直接向き合うオペレーター自身を教育することで、適切なクレーム応対ができるようになり、クレームを減らす事へも繋がります。
マニュアルを作成、定期的に見直す
オペレーターごとの対応のばらつきをなくし一定の品質が保てるよう、マニュアルを作成しましょう。NGワードや言葉遣い、これまでの応対履歴をまとめることで、コールセンター全体のサービス品質が向上します。
クレーム事例をもとに定期的にマニュアルの見直し・改善を行うことで、適切な対応ができるようになっていき、クレームを減らすことができます。
オペレータだけで対応できない場合
上司(SV)に替わる
電話を交代して、上司が対応することで満足するお客様もいらっしゃいます。
どうしても対応できない場合はすぐにフォローできる体制を作っておくと、お客様もオペレータ―も安心です。
営業にエスカレーションする
自分では判断できない内容は、あいまいにすることでさらなるクレームに繋がるため、上司や営業に確認して、交代して対応を行ってもらいます。
ブラックリストを活用する
クレームが多い要注意人物からの入電をブラックリスト化して登録しておくと、着信時にすぐにわかります。
スキルの高いオペレーターやSVが担当するなどして、事前に対策ができるようにしておくことも重要です。
断り文句を設定しておく
無理な要求をされた際の断り文句をマニュアル化しておくと、ストレスを感じることなく対応ができます。
相手がヒートアップしている場合は「確認して折り返します。」とワンクッション置くことで、相手が冷静になることもありますので、状況に応じた対応を設定しておきましょう。
クレーム対応ができるコールセンターならStep y’s
コールセンターのクレーム対応は、対応によって明暗を分けるということがわかっていただけたのではないでしょうか。
Step y’sではクレーム対応をはじめとしたコールセンターの委託業務を承っております。自社でクレーム対応が難しいとお考えの場合は、アウトソーシングを行うことで、人件費削減や業務効率化、応対品質の向上が期待できますので、コールセンター業務の委託を検討してみてはいかがでしょうか。
様々な業界の電話対応の経験を重ね、定期的な研修を受けた弊社の優秀なオペレーターが、常に待機し、クレームにも冷静で適切な対処を行います。
インバウンド・アウトバウンドどちらのコールセンター開設も可能。メール・チャットの対応代行も行なっておりますのでお問い合わせ対応や注文受付、クレーム対応などの業務を一貫してアウトソースすることも可能です。どうぞお気軽にご相談ください。
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まとめ
クレームと一様に言っても業種や扱っている商品・サービスによって内容は様々で、その都度対応は異なります。
ただ、共通して大切にすべきことは、「お客様のクレームの意図を理解して寄り添う」ということです。 オペレーターは企業とお客様の橋渡し役としてクレームを受けているという意識もちながら対応を行い、双方が気持ちよく電話を終えられるように努めましょう。