コールセンター 2024.09.13 2024.09.13

【障がい者アートの輪】ステップワイズ 川口コンタクトセンターに障がい者アートを展示!展示までの流れと反響をご紹介

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Outsider Art

SCBは2024年3月、Step y’s 福岡コンタクトセンターに障がい者アートを展示したことをご紹介しました。

アートを飾る人物
オフィスにアートを飾る企業が増加!ステップワイズも導入した障がい者アートレンタルを紹介!

オフィスに華やかなアートが加わることでセンター内の雰囲気がいっそう明るくなり、活気が出たとスタッフに好評をいただきました。

この恩恵をぜひ他センターも受けたいと思い、埼玉県川口市の川口コンタクトセンターへ障がい者アートを設置するプロジェクトを始動。

障がい者アートとはどのようなものか、川口コンタクトセンターへの展示までの流れやアートレンタルにご協力いただきましたアトリエ「工房集」へ訪問させていただいた際のレポート、契約から展示までの期間、展示後のスタッフの反響をまとめています。

障がい者アートに興味のある方や、社会地域貢献、SDGs活動の一環として取り入れてみたいとお考えの方の参考になりますので、ぜひご覧ください。

障がい者アートとは

絵の具とパレット

障がい者アートは障がいを持つ方が作成したアート作品のことを指します。

作品には様々な特性が個性としてあらわれており、絵画に限らず、立体や織物、刺繍、漫画やイラスト、詩など独創性のある作品が自由な発想で創作されています。

アートに障がいの有無は関係なく、近年多く言われる「多様性」を認め合うことのきっかけとしても注目を集めており、国内に限らず世界中で展覧会やイベント、企業やスポーツチームとのコラボレーション製品の開発や支援活動も活発に行われています。

障害者アートレンタルを実施いただける施設探し

埼玉県福祉部 障害者福祉推進課にてアート作品のレンタルを行なっている施設をご紹介いただけるとの広報があり、地域貢献の観点からも、同じ地域の福祉施設からアートを選定することを決定。

問合わせを行い、同川口市で活動している「工房集」をご紹介いただきました。

工房集外観
画像引用元:工房集 https://kobo-syu.com/

工房集は、社会福祉法人みぬま福祉会を利用するメンバーの表現プロジェクトを社会につなげるための活動拠点として2002年に開設されました。

1994年頃、既存の仕事に合わなかった一人のメンバーに絵を描いてもらったところ、集中して取り組んだという出来事をきっかけに、障害の重い人たちの仕事づくりを模索し続けたことから始まったとのこと。

現在は12のアトリエを中心に150名ほどのメンバーがさまざまな作品を生み出しています。

工房集へ訪問

実際の活動している様子を是非見てほしいとのことで、アトリエにご招待いただき、当社代表とプロジェクトメンバーにて工房集へ訪問。

開放的なカフェスペースにご案内いただき、工房集立ち上げのきっかけとなったお話や、これまでの活動実績、各企業とのコラボレーション企画などをご紹介いただきました。多岐にわたる活動は多くのアイディアを出し、努力と工夫を続けてきた結果として輝きを放っていました。

温かな日差しを受けたアトリエではメンバーの制作現場を見学。
作品は絵画、織物、イラスト、漫画や詩集など、自由な発想と道具で制作に取り組むメンバーの表情はとても明るく、自信に満ちているようです。

各メンバーへ挨拶と名刺交換を行い、作品の他にチラシ、ポスター、アパレル製品など作品の個性を活かした製品もご紹介いただきました。作品について詳しく説明している姿からもアーティストとして誇りを持って活動している様子が伺えました。

アトリエを支える職員の方々もメンバーへ質問を行いながら、作品の特徴やどういった考えで制作したか、メンバーが伝えきれていない魅力を上手に引き出しており、メンバーと職員が信頼関係を築き、サポートを続けているという日々の努力が垣間見えました。
別の場所に保管していた過去の作品も見せていただき、いつ頃作成したか、どういったイメージであるか、作成時の思い出なども笑顔でお話ししていました。

メンバーと職員の皆様が一丸となって工房集を盛りあげていこうという強い想いが、アトリエをさらに温かい雰囲気に包んでいるようで、心が洗われる気持ちになりました。

障がい者アートのレンタルを選定・契約

川口コンタクトセンターへ展示する作品として、土屋莉恵さんの「ひまわり」を選定。

Step y’sのイメージカラー「オレンジ」を豊富に使用した、見ているだけでエネルギーをいただけるような色合いでありながらも、どことなく夕暮れのような落ち着いた雰囲気も感じることのできるとても素敵な作品です。

スタッフからも好印象で、初めての展示アートにはぴったりということで決定しました。

レプリカ展示でもっと手軽に

工房集でのアートレンタルは原画のみ実績があり、今回も原画でのレンタルをご提案いただきましたが、当社よりレプリカでの展示を希望。

原画でのレンタルの場合、作品の品質を維持するため、破損以外に温度や湿度、日光が当たらないかなどの設置環境も考慮する必要があるため、展示場所について厳しい選定が必要となります。

福岡コンタクトセンターに展示した障がい者アートもレプリカを展示することで「気軽にアートを楽しめる」「気負わずに鑑賞できる」といった声もあったため、川口コンタクトセンターも同様にレプリカを設置したいという、当社の意向を伝え、ご理解いただきました。

また、原画でのレンタルの場合、展示期間中はアート作品を独占してしまう状態となります。決して悪いことではありませんが他企業や団体との活動の機会を逃してしまうことは避けたいとの考えもありました。

工房集としてレプリカのアート作品レンタルは初の試みとのこと。
レプリカを作成いただける印刷業者の選定から行う必要があり、負担になるかと懸念しましたが、職員の方が以前から注目していた印刷業者があったと仰ってくださいました。

今回のレプリカ作成をきっかけに可能性を広げられると、前向きにご対応いただきました。

障がい者アートレンタル展示までの流れ

flow

ご協力いただける施設や団体によって違いはありますが、お問合せから実際に展示するまでの流れをご紹介します。

1.福祉施設や団体の選定

障がい者アートレンタルに対応している福祉施設や団体を選定します。
インターネットで検索する他、各自治体にて紹介している場合もあります。

Step y’sでは福岡県、埼玉県ともに各自治体のSDGs事業に登録を行なっており、登録企業宛に送付されるメールマガジンの情報から各福祉施設や団体へ問合せを実施しました。

2.問合せ、作品選定

障がい者アートレンタルを行なっている福祉施設や団体に問合せします。

埼玉県川口市の「工房集」では施設へご招待いただき、制作メンバーとお話ししたり、実際の制作の様子を見学しました。
工房集メンバーの作品や個性を知った上で、職員の方に当社の希望をお伝えし、展示サイズをベースに最適な作品のリストを作成いただきました。

施設へ訪問し、制作の様子や空間を実際に見聞きしてから選ぶことで、より作品に愛着を持てるようになっていました。どの作品もそれぞれの魅力を理解できていた上に、作者のお顔や制作中の様子が思い出されるため、作品選定には時間を要しました。

一方、福岡県で活動している「まごころアート FUKUOKA GALLERY」ではWEBサイトで作品を選定、申込みを行えるようになっており、より手軽に障がい者アート展示を行えるよう工夫されています。

3.費用確認、契約、支払い

福祉施設や団体によって異なりますが、契約書の提出や費用の支払いを行います。

費用はサイズや期間によって異なりますが、1年契約で30,000円程度が目安のようです。

4.レプリカ作成、お届け

契約と支払いを確認いただいたのち、レプリカの作成に着手していただきます。

完成まで2週間程度が目安のようですが、印刷業者の混雑具合によって前後します。展示を開始したい時期が決まっている場合はあらかじめ確認しましょう。

川口、福岡とも施設担当者がセンターまで作品を届けてくださいました。
遠方の場合は宅配なども対応いただけるようですので希望を伝えておくとスムーズです。

設置は原則として自身で行います。
事前にフレームを含めたサイズを確認し、設置場所を決めておきましょう。

障がい者アートレンタル展示後の反響

展示の様子

川口コンタクトセンターへ届けられた「ひまわり」は色合いがとても鮮やかで、印刷とは思えない仕上がりとなっていました。額装も対応いただき、とてもレプリカとは思えない存在感があります。

白を基調としたセンターの内装に鮮やかなオレンジが差し込むことで、室内がより明るい雰囲気になりました。アートの力を感じずにはいられません。

スタッフからも「見ていて明るい気持ちになる」「ふとした時に目にして、気持ちの切り替えになる」といった感想をいただいてます。

企業が障がい者アートレンタルを展示するメリット

オフィスにアート作品を展示する企業は少なくないですが、障がい者アートレンタルを展示すると見た目が華やかになる他、多くのメリットがあります。

社会地域貢献になる

事業所を設置している地域の福祉施設からレンタルや購入することによって社会地域貢献の一環となります。

小さなことからでも一度始めてみることで次の活動につながりやすくなりますので、活動開始のきっかけとしても最適です。

SDGs活動のPRになる

障がい者アートを展示することは、SDGsが掲げる【誰一人取り残さない】を中心とした理念「貧困をなくす」「働きがい」「不平等をなくす」「パートナーシップを活性化する」に貢献していることのPRになります。

ロビーや応接室など来客の目につきやすい場所に展示することで、来客に興味を持っていただければ会話を広げるきっかけになります。

WEBサイトやSNSなどで広く周知しても良いでしょう。

地域と繋がりが持てる

福祉施設や自治体と連絡を行うことで企業と地域の繋がりを持つことができます。

従業員やアートを目にした来客も身近にある福祉施設を知ることができ、展示会やイベントなどに興味を持つきっかけとして貢献できます。

どのメリットも障がい者アートでしか得られないものであり、企業ブランディングの向上も期待できます。展示場所さえ確保できれば比較的簡単に実施できるので、まだアート展示を行なっていない企業の方もぜひ検討してはいかがでしょうか。

アートレンタルだけではもったいない

工房集を訪問した当社代表とスタッフの一致した感想が「レンタルだけではもったいない!」でした。

Step y’sもまもなく10周年を迎えます。記念事業として、多岐にわたる展開をしていきたいと企画を立てていたため、工房集とのコラボレーション製品も出していきたいとプロジェクトを進めています。

どのような作品になるか、今後もレポートして参りますのでどうぞご期待ください。

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